ポール・ミルグロム『オークション 理論とデザイン』

Milgrom, Paul. 2004. PUTTING AUCTION THEORY TO WORK.  (Cambridge University Press)

ポール・ミルグロム『オークション 理論とデザイン』計盛英一郎・馬場弓子訳 川又邦雄・奥野正寛監訳

 (東洋経済新報社 2007)


第1回(2章) 20201127 https://youtu.be/YwGBoV-dLYs


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ポール・ミルグロム

1948年米国生。経済学者。1987年よりスタンフォード大学経済学科教授。

2020年のノーベル記念経済学賞を、「オークション理論の発展※と新しいオークション形式の発明※※」を理由として、ロバート・ウィルソンと共同受賞。

邦訳書として、本書のほか、ジョン・ロバーツとの共著Economics, Organization and Management (1992) =『組織の経済学』(1992=1997)がある。(組織論の教科書。たぶん日本ではこちらの方が遥かに読まれている)

 


※ウィルソンは特に、オークションにおいて「勝者の災い」が発生する状況(オークションの対象物が参加者にとって完全に共通な価値を持ち、そのため、こういうものを落札するのはその価値を適切に見定めることに失敗してオーバービッドした参加者になるので損をする、という現象)と最適戦略の分析を行った。対してミルグロムは、とりわけ、自らにとっての財の価値が他者にとっての財の価値に(互いに)依存する、相互依存的価値のモデルを分析している。

 

※※米国連邦通信委員会が1994年に開催した通信周波数割当オークションで採用された、同時複数回競り上げオークション Simultaneous Multiple Round Ascending Auction (SMRA) の設計を主に指している。

SMRAでは、対象となるすべての財を同時にオークションにかける。参加者はそのなかから好きなだけ欲しいものを選び、そのそれぞれについて競り値を入札する。全員が入札したら、その時点での各財についての最高値入札者と入札価格を発表する(最高値以外の入札者についての情報の開示についてはオークションごとに設計が異なる)。その後、再び、同じ形で入札を行う。これを、新たな入札が出てこなくなるまで繰り返し、各財の最終的な落札者を決める。支払いは1位価格式。なお、序盤での様子見を防ぐため、「活動ルール Activity Rules」という、セミ・ハードパス的なルールが設定されている。参加申請時に各参加者が選択した「入札する対象となる財」のうち、序盤のラウンドでは、(例えば)三分の二については様子見が許される。中盤では様子見を選択できる範囲が三分の一に狭まり、後半では様子見禁止=ハードパスの扱いになる。

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tsw@yahoo.co.jp,
2020/12/24 8:34
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