黒宮公彦『トランプゲームの源流 第1巻 トリックテイキングゲーム発達史』(ニューゲームズオーダー、2022)
第1回(#91 / 20211224)
第2回(#92 / 20220128)
本の概要
15世紀~17世紀前半(ルール集が出版されるようになる前)のトランプゲームのルールについて、
既存の研究をまとめ※、考察する。第1巻(本書)では、トリックテイキングゲームを取り扱う。
(※マイケル・ダメット、ティエリ・ドゥポリス、フランコ・プラテージなど)
第1章で欧州へのトランプの伝来について触れたあと、主に以下の3つのトピックを扱う。
・トリウンフィ/タロット……切札(とマストフォロー)の誕生【第2章】
・カーネフェル……(4スートの)トランプへの切札の導入と変化【第3章】
・オンブル……ビッド/契約の誕生【第4~7章】
(※ビッドとベットは異なる概念として用いられていることに注意)
特にオンブルについては、下記のように従兄弟関係にあるゲームまで含めて変遷が示されている。
スペインのトリウンフォ【4章】
〈分岐1【4-5章】〉→(ポルトガルのトルンフ)→原ウンスン→ウンスン
〈分岐2【6章】〉→(ポルトガルのトルンフ?)→モー→スポイルファイヴ
〈分岐3【7章】〉→(ポルトガルのトルンフ)→初期オンブレ→オンブレ(切札スート指定権つき)→レネガード/オンブル(→カドリーユ)