トリックテイキングゲーム発達史

黒宮公彦『トランプゲームの源流 第1巻 トリックテイキングゲーム発達史』(ニューゲームズオーダー、2022)

第1回(#91 / 20211224)

https://youtu.be/mK6qFzOssKI

第2回(#92 / 20220128)

https://youtu.be/F-0bw1GGRTM

本の概要


15世紀~17世紀前半(ルール集が出版されるようになる前)のトランプゲームのルールについて、

既存の研究をまとめ※、考察する。第1巻(本書)では、トリックテイキングゲームを取り扱う。

(※マイケル・ダメット、ティエリ・ドゥポリス、フランコ・プラテージなど)


第1章で欧州へのトランプの伝来について触れたあと、主に以下の3つのトピックを扱う。

・トリウンフィ/タロット……切札(とマストフォロー)の誕生【第2章】

・カーネフェル……(4スートの)トランプへの切札の導入と変化【第3章】

・オンブル……ビッド/契約の誕生【第4~7章】

 (※ビッドとベットは異なる概念として用いられていることに注意)

特にオンブルについては、下記のように従兄弟関係にあるゲームまで含めて変遷が示されている。

スペインのトリウンフォ【4章】

 〈分岐1【4-5章】〉→(ポルトガルのトルンフ)→原ウンスン→ウンスン

 〈分岐2【6章】〉→(ポルトガルのトルンフ?)→モー→スポイルファイヴ

 〈分岐3【7章】〉→(ポルトガルのトルンフ)→初期オンブレ→オンブレ(切札スート指定権つき)→レネガード/オンブル(→カドリーユ)